イェライシャの結界

本や漫画、アニメの感想

GATEゲート自衛隊彼の地にて斯く戦えり第一巻接触編

柳内たくみ氏による本シリーズに出会ったのは、YouTubeGoogle傘下に入る前に視聴できたころです。ビックリするぐらいハマりした。銀河英雄伝説シリーズ以来こんなに夢中になれたアニメはそんなにありません。

夏目正隆氏の「スクランブル・イーグル」を読んだ後で、自衛隊の好感度が上がっていたこととも理由かもしれません。自衛隊ってやるじゃないのと単細胞な私は感化されてしまいました。

http://gate-anime.com/images/sns.jpg

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でもって、私はアニメ版を一気に観た後に小説に向かいました。ライトノベルはそれまでほとんど関心を持ったこともなく、二次元キャラに萌えるとか無理くり設定がなじめなかったのです。

第1巻接触

平和な日本銀座に突如出現した異世界との門(GATE)が開かれ、異世界のお約束ヒロイックファンタジーの世界と現代日本がつながって物語は始まります。

主人公伊丹耀司二等陸尉は、自他ともにオタク趣味で怠け者とされますが、危機回避能力がずば抜けて、機転と知恵が何気に回ります。オタク趣味と知識が異世界では大いに有効で武器となります。

サブキャラは娘っ子三人。ティカ・ルナ・マルソー(165歳)エルフ上位種族金髪碧眼スタイル抜群。レレイ・ラ・レイ(15歳)人種賢者にして魔導師、頭脳明晰で無表情。ローリィー・マキューリー(961歳)戦い神エムロイの使徒亜神、妖艶な黒ゴス少女。三人そろって美少女設定でヒロインは甲乙つけがたいというか付けていません。

異世界は帝国の支配力で日本にある日突然攻め込んできました。日本は当初民間人にも多大の犠牲者を出し、出鼻はくじかれましたが、怪異が混じっていようが所詮中世レベルの軍隊では、現代の自衛隊装備にかなうはずもなく掃討されます。日本はその後異世界が資源の宝庫で未開の地であることを知り、自衛隊を送り込んで調査を開始します。圧倒的な軍事力差があるにも関わらず、日本は帝国と賠償責任と講和の道を選びます。だって日本は他国に侵略する憲法を持っていませんから。

現地調査が目的で伊丹二尉率いる第三小隊が炎竜に遭遇します。通称ドラゴン。凶暴で現地人を食す空飛ぶ戦車と言われるほどの強敵。初戦は現地住民1/4の命を失うも何とか追い払います。そこから三人娘に次々と出会い、助けたり共同で生活を始めます。

第一巻は異世界の世界設定に費やされますが、その後の展開も踏まえた下準備でありながら、私のようなオタク趣味がないものにも受け入れられるように、親切丁寧にキャラ設定や武器の説明をしてくれています。

現代日本では自衛隊は普段活躍の場が戦闘ではありません。戦闘で自衛隊が活躍する事態はかなり日本がヤバいことを意味しますし、自衛隊が活躍する他の小説も舞台設定に苦しむことでしょう。本作品は自衛隊を活躍させるために作者が作ったワールドだと思います。異世界ですからまぁ少々やりすぎてもと思いますが、そこは作者が元自衛官だったこともあります。非常に戦いに慎重な姿勢を貫いています。シビリアンコントロールの元、ギリギリの決断を強いられ戦闘に巻き込まれますが、最初に巻き込まれ引きずり込む役目が主人公伊丹二尉なんです。そして娘っ子三人に好意を持たれ、一緒に協力して立ち向かう姿を描いています。

オタクではない私がオタクに目覚めたか?と問われればどうでしょう。理解を深めたということでよろしいでしょうか。