イェライシャの結界

本や漫画、アニメの感想

竜馬がゆく

竜馬がゆく」を読んだのは20代。

私の中ではベスト3の本になります。

幕末の英雄度ランキング

1.坂本龍馬 資金9 戦闘力7 知力9 行動力9 影響力10 合計44

2.高杉晋作 資金8 戦闘力10 知力7 行動力10 影響力7 合計43

3.西郷隆盛 資金9 戦闘力9 知力8 行動力8 影響力9 合計43 

4.土方歳三 資金5 戦闘力9 知力8 行動力9 影響力5 合計36

5.大村益次郎 資金8 戦闘力10 知力10 行動力7 影響力7 合計42

6.勝海舟  資金7 戦闘力5 知力10 行動力6 影響力9 合計37

7.河合継之助 資金9 戦闘力7 知力8 行動力7 影響力5 合計36

8.大久保利通 資金9 戦闘力5 知力9 行動力5 影響力7 合計35

9.木戸孝允 資金10 戦闘力6 知力8 行動力8 影響力8 合計40

10.榎本武明 資金10 戦闘力9 知力7 行動力6 影響力6 合計38

本作中河合継之助、大村益次郎はほぼ出てきませんが好みです。

辛うじて1位は竜馬が取りましたが、好きな順に並べたらパラメーターに支障がでてしまいました。

竜馬の人物像

  1. どうしようもないくらい優しい男であったと思えます。
  2. 無双の剣術を得て、対人での間を心得ていて喧嘩は上手と思います。
  3. 思考が常にフラットで既存の考えに頓着せず核心をとらえてたと思います。
  4. 幼少の頃に受けた下士扱いが人間は本来能力主義であるべきと決意させたと思います。
  5. 人を誑し込むのが得意であった思います。
  6. 経済を肌で知っていて最終的に人は益で動くことを知っていました。
  7. 人の才能を見る力があり全権を託すことにためらいが無かったと思います。
  8. 新しい知識やものが大好きでした。あまりにもピストルと革靴スタイルは有名。
  9. 神仏を鼻くそとしか思ってなく、キリストもペテン師と呼び本人もそうであったと自覚していたと思います。
  10. ネジが2,3本飛んでいるぐらいに豪胆であったと思います。

現代に竜馬像の職業を強いてあげるならスーパー営業マン。口先三寸と策謀を巡らし人を懐柔していく。経営者にはなれるでしょうが、実務は部下に任せて本人は遊んでいるか違うことを考えている。イーロン・マスクが武器商人という設定かなぁ。

竜馬の成し遂げた奇跡

  1. 新婚旅行。ケガを癒すためとはいえ日本初。
  2. 大政奉還薩長土と徳川に働きかけ成し遂げたこと。たった一個人がです。
  3. 武器商人とはいえ日本初株式会社を思いつき作ったことです。

フリーメーソン

 トーマスグラバーとの繋がりから金融組織の一員として行動したと思っています。小説では九州の豪商とありますが、スポンサーはトーマスグラバーの先行投資と思えます。竜馬はトーマスグラバーの正体を知って企みも気づいた上で、他の選択肢もなかったための武器商人行動だったと思います。トーマス・グラバーなどから活動資金を得て亀山社中を興し、武器を長州に回して武力で幕府に対抗できる手段を整え、第二次長州征伐で幕府を返り討ちにすることができました。これで幕府の威信は失墜しました。当時とすれば天変地異でしたでしょう。トーマスグラバーだけでなく、幕府もフランスからせっせと武器を購入していますから、どれほどの金が外国に持っていかれちゃったんでしょう。フリーメーソンに話を戻しますと、竜馬が暗殺されたのが33歳の誕生日11月15日。33という数字はフリーメーソンの中ではキーになる数字です。偶然かそれにしても何かを暗示している気がしてなりません。

 

土佐を二度も脱藩して許された理由

 普通一度でもありえないところ二度もやらかしてます。一度目は姉を自害に追い込むほど実家に大迷惑をかけています。武器商人である竜馬は土佐の討幕機運に手土産に最新式のミニュエー銃1000丁を持っていきます。これで板垣退助率いる軍が薩長と並びうる戦力になります。精鋭1個師団に相当するでしょうか、そうりゃ許してもらえますね。

竜馬暗殺の犯人

 大政奉還で周り中がペテンをかけられたと思い敵だらけでした。消去法で絞っていくと真っ先に消されるのが新選組です。彼らが手を下していれば口にします。同じ理由で見回り役も消えます。残る武装勢力は長州と薩摩ですが、青臭い桂では動機が薄いです。残るのはただ一つ薩摩です。他に暗躍していて密偵力がありそうなのが海援隊内のトーマスグラバーにつながる金融組織の裏切りですが、人数を揃えられるとは思えません。襲撃が多数の下手くそにも思える滅多切りは、薩摩は示現流使いで上段の構えです。低い天井下では示現流は発動できませんので、下手くそになってしまったと考えます。そして絶対にバラようなヘマをする西郷や大久保ではないと思えます。

竜馬のやりたかったこと

姉への手紙に日本を一度洗濯したく候とあります。これに尽きると思います。日本の徳川幕府の硬直した官僚態勢、武家組織の絶対的上下関係を変えたいと、変えなければ日本は欧米に対することができないと見切ったと思います。そのために日本を朝廷のもと全部平らにならして、有能な敵性のある人間が日本のかじ取りをすればよいと考えていたと思います。当時の人間には一般人が政治に携わるなんて夢にも思えなかったでしょう。

まとめ

坂本竜馬のような人間は平時には大して役にも立ちはしないと思います。あの時代に必要な時にだけ駆け抜けるように生涯を閉じました。今、世界は非常に微妙なバランスの上にいると思います。派手なドンパチはもう流石にありえないと思いますが、経済戦争や政治のミスリードで一国が簡単に衰退することは容易に想像できます。日本に危機がこれから訪れた時、前の大戦のようなへっぽこ政治家ばかりではまた負けます。世界の情報がリアルタイムでかなりの深さまで共有できていて、もはやイデオロギーなんか1㎜の価値もなく、思想家も革命家も必要が無いと思います。思慮遠謀とセンスを持つリーダーがいないと日本はやられます。竜馬は革命家といってもいいでしょうが思慮遠謀に長けた武器商人が正体です。今の日本に流石に武器商人の設定は難しいでしょうが、武器は武器でも情報が武器と捉えれば、インターネットを駆使できる組織の長に竜馬のような資質の物が必要になるかもしれません。

私は安倍政権を支持していますし、後継者は河野大臣の流れが良いと思っていますが、彼らはサラブレットです。サラブレッドが窮地に活躍した例を思いつきません。軍事外交的な将帥は何故か市井の中に生まれます。大谷翔平、羽生弦といったプラチナ世代にもしかすると後世に語り継がれる英雄が生まれる気がします。実際は英雄の出番なんかないほうが良いに決まってますが、何かを暗示するようでプラチナ世代に期待をしてしまう私は無責任かもしれません。未来の英雄は今何を思い何をやっているのだろう。